コラム

加齢黄斑変性

2020.10.22
コラム

加齢黄斑変性

今回のコラムは、iPS細胞の臨床研究が始まったことでも話題になった「加齢黄斑変性」について「かめざわ眼科」院長の亀澤比呂志先生に聞きました。

Q 加齢黄斑変性とは?

A 加齢などにより網膜の中心『黄斑部』に出血・むくみが起こり、視野の中心が暗くなったり、ゆがんで見えにくくなる病気です。一番見たい部分が見えにくくなるため不自由に感じます。50代から発症することが多く、高齢化により患者数は急増。体質・喫煙・太陽光・偏食も原因といわれています。

 

Q 診断・治療は?

A 従来は視力、視野、眼底・蛍光眼底造影検査で診断していましたが、現在はOCT(光干渉断層計)が早期診断・経過観察のために使われます。OCTは、赤外線をあてて撮影するだけなので痛みを伴わず、網膜病変の位置、大きさ、形、深さが精密に解析できます。

治療は、眼内への注射(抗VEGF療法)が行われます。このほか、光線力学療法、レーザー治療、手術を行うこともあります。しかし病状が進行すると治療できない場合もあり、早期発見が重要です。またiPS細胞を用いた再生医療により、現在は治療困難な重症例も将来は治療できると、最前線の研究チームは考えています。

 

Q 気をつけることは?

A 加齢黄斑変性は、初期は片目だけに発症します。普段私たちは両目を使って生活しているので、症状になかなか気付くことができません。早期発見のため時々、片目ずつの見え方をチェックしましょう。異常を感じたら、放置せず早めに眼科を受診することが大切です。また禁煙や、バランスの良い食事、適度な運動のほか、紫外線やブルーライトから目を守ることも予防になります。日頃から目と体をいたわる生活を心がけましょう。

 

かめざわ眼科 院長

亀澤 比呂志

・日本眼科学会認定眼科専門医

・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医

・日本レーザー医学会認定 レーザー専門医